メインテナンスの間隔
日本と世界のスタンダード、
あなたに最適なケアを知る
メインテナンスの間隔
メインテナンスに通院する適切な間隔とは?
メインテナンスの通院間隔は、「3か月が正解」というものではありません。
本来は、あなたのお口の状態やリスクによって決まるものです。
「メインテナンスは3か月ごと」と聞いたことはありませんか?
実は、適切な通院間隔は、お口の状態やリスクによって一人ひとり異なります。ここでは、日本の保険制度の仕組みと、世界で推奨されている考え方について分かりやすく解説します。
日本の標準的なルール
保険制度に基づく「3か月」の基準
現在、日本の歯科医療(公的保険制度)では、歯周病の再発を防ぐための「SPT(歯周安定期治療)」という枠組みがあります。
この制度では、原則として3か月ごとのメインテナンスが推奨されています。これは厚生労働省が定めた診療ルールに基づいたもので、現在、多くの歯科医院で「お口の健康を維持するための標準的な目安」として広く行われています。
世界の潮流
リスクに応じた「個別対応」がスタンダード
一方で、グローバルな視点に立つと、一律の期間ではなく、
「患者さん一人ひとりのリスクに応じて間隔を決める」という考え方が主流になっています。
イギリスの公的ガイドライン(NICE)や、最新の科学的知見(Clarksonらの研究など)では、むし歯や歯周病のなりやすさに合わせて、柔軟に通院間隔を設定することが推奨されています。

- リスクが高い方
- (歯周病が進行しやすい、汚れが溜まりやすいなど)
→ 再発を防ぐため、3か月ごとなどの短い間隔での徹底した管理が必要です。
- リスクが低い方
- (セルフケアが確立し、病状が安定しているなど)
→ 科学的なデータでは、6か月〜24か月ごとの受診であっても、お口の健康維持に大きな差がないという報告もあります。
予防先進国のスウェーデン(保健福祉庁ガイドライン)においても、医療資源を効率的に使いつつ、患者さんの通いやすさを考慮した「個別対応」が国の指針として示されています。
「自分に合った予防」を
選べる時代
日本の保険制度では3か月ごとのSPTが基本ですが、
一部の歯科医院では、保険診療に加えて自由診療のメインテナンスプログラムを用意し、こうした世界基準の個別対応を行っている場合もあります。
自由診療でのメインテナンスでは、お口のリスクだけでなく、ライフスタイルや「いつまでも自分の歯を残したい」というご希望に合わせて、受診間隔を調整できることがあります。
これは、国際的に推奨されている「リスクに応じた個別化ケア」という考え方に基づくものです。
決められた枠組みに自分を合わせるのではなく、あなた自身の状態に基づいた「根拠のある予防プログラム」を選ぶことが、これからの時代のスタンダードになりつつあります。
まとめ
「3か月」はあくまで一つの目安に過ぎません。
大切なのは、決まった間隔で通うことではなく、自分のリスクに合った間隔で通うことです。
あなた自身のお口のリスクを正しく評価し、最適なタイミングでプロのケアを受けることが、長期的な健康につながります。
ご自身の適切な間隔を知るために、まずはリスク評価を大切にしている歯科医院で相談してみることから始めてみませんか。
【エビデンス・出典元】
本説明は、以下の公的ガイドラインおよび学術研究に基づいています。
- イギリス国立医療技術評価機構(NICE)ガイドライン(2004) 「歯科定期検診の間隔(Dental recall)」 患者のリスクに応じて3か月〜24か月の間で検診間隔を設定することを推奨。
- コクラン共同計画(Cochrane Review, 2020) Clarkson JE, et al. / Fee PA, et al. 一律の間隔よりも、個人のリスクに基づいた受診間隔の方が、口腔健康と医療資源効率の両面で有効である可能性を示唆。
- スウェーデン保健福祉庁 「歯科医療に関する国のガイドライン」 病状・リスク・通いやすさを考慮した個別化メインテナンス計画を推奨。
- 厚生労働省「診療報酬改定」関係資料 SPT(歯周安定期治療)およびP重防(歯周病重症化予防治療)の算定基準に基づく