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シンプル予防歯科セミナー フォトレポート

講師写真

会場となった御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター「テラスルーム」は、講師側のスクリーンと入口側の壁を除き、道路側は全面フィックスガラスで構成されている。春の柔らかな光が差し込み、背景にはニコライ堂を望む開放的な空間である。

そのような環境の中、セミナーは終始明るい雰囲気で進行した。参加した多くの歯科衛生士は、北欧歯科の加藤大明先生・加藤雄大先生による、語りかけるような軽妙な口調に自然と引き込まれていく様子が見られた。講師側から必要に応じて撮影を認める案内があった点も含め、現在のセミナーの在り方を象徴する一場面であった。


■ 本質を捉えるための、3つの「掟」

それは極めてシンプルでありながら、臨床の迷いを断ち切る強い軸となるものだった。

  • 情報の選別(キュレーション)
    情報過多の時代において、患者は「何が正しいのか」を見失っている。歯科医師の役割は、情報を増やすことではなく、エビデンスに基づいて不要なものを削ぎ落とし、最適解を提示することにある。
  • 最小介入・最大効果
    患者に過度な努力を求めるのではなく、医療側の判断によって、最小限の介入で最大限の予防効果を導く。
  • 「標準(デフォ)」の徹底
    経験や勘に頼るのではなく、科学的根拠に基づいた診断プロトコルを徹底する。それが結果として、最も合理的で再現性の高い臨床につながる。

現代の歯科臨床は、情報の飽和状態にある。
新しい技術や概念が次々と現れる中で、臨床は知らず知らずのうちに複雑化していく。では、私たちはどこに立ち返るべきなのか。

今回のセミナーで示されたのは、「足し算」ではなく「引き算」によって組み立てられた予防の考え方だった。
講師の加藤大明先生、加藤雄大先生は、数多くのエビデンスの中から臨床に直結する要素のみを選び抜き、無駄を削ぎ落とした形で提示した。それは、単なる知識の共有ではなく、「判断する力」を問い直す内容でもあった。

■ 診断の精度を高める

カリエス管理において加藤大明先生が示したのは、「見える化」の徹底である。
隣接面カリエスは視診だけでは見逃されることが多く、バイトウィング撮影を標準(デフォ)として位置づけることの重要性が強調された。また、フッ化物の活用も“補助的なもの”ではなく、予防の基盤として再定義される。

ここで重要なのは、患者の努力に依存するのではなく、診断と仕組みによって結果を担保するという考え方である。医療側の設計そのものが、予防の質を左右する。

■ 原因にフォーカスするということ

歯周治療において加藤雄大先生が提示したのは、「原因除去」を軸とした一貫した考え方である。
スカンジナビアン・ペリオの考え方をベースに、縁上のコントロールを伴わない縁下処置の限界を示し、喫煙や糖尿病といった支配的なリスク因子への対応を優先する重要性が語られた。

すべてを均等に扱うのではなく、「何を優先すべきか」を見極める。この判断こそが、治療結果を大きく左右する。

■ シンプルであることの価値

「手抜きで良い結果を出す」
一見すると誤解を招きかねないこの言葉は、実際には“無駄を排した最適化”を意味している。

エビデンスというフィルターを通し、必要な要素だけを残す。
その先にある「シンプル」こそが、患者にとっても、医療者にとっても持続可能な予防歯科のかたちである。

臨床の迷いを減らし、本当に守るべき部位に集中する。
そのために必要なのは、知識の量ではなく、「選び抜く力」なのかもしれない。

一日のプログラムを通じて問われていたのは、まさにその力だった。

(コミュニケーションギア編集部)

開催概要

シンプル予防歯科セミナー
  • 開催場所
    御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
    2F:Terrace Room

  • 開催日時
    2026年4月12日 (日) 10:00 ~ 13:00

  • 講師
    加藤 大明 先生(北欧歯科)
    加藤 雄大 先生(北欧歯科)

講演:加藤 大明 先生

加藤大明先生講演
加藤大明先生講演
加藤大明先生講演
加藤大明先生講演

講演:加藤 雄大 先生

加藤雄大先生講演
加藤雄大先生講演
加藤雄大先生講演
加藤雄大先生講演

質問への回答

質問への回答

会場での回答を講師がさらに補足した内容が、下記のリンクよりごらんいただけます。


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