標準的な予防歯科医療
予防型歯科医院と治療型歯科医院の違い
永久歯の抜歯原因
痛くなったら歯科医院に行き、治療する。
この繰り返しでは、いずれ歯はなくなってしまうこと、ご存知でしたか?
大切なのは、歯がなくなる原因に対してアプローチすることです。
つまり、むし歯と歯周病をどう防ぐのかがポイントになります。
むし歯と歯周病を防ぐためには?
- Point1 原因を除去する
- むし歯と歯周病が発症しないように、細菌のかたまりである「バイオフィルム」の除去を行い、口の中を清潔にすること。
- Point2 リスクを知る
- 患者さんひとりひとりの現状、むし歯・歯周病のなりやすさ(リスク)を理解していただくこと。
- Point3 継続的なケアを行う
- 患者さん自身が自分の歯に関心を持ち「自分の歯は自分で守っていく」という意識のもと、家庭でケアを行うこと。
標準的な予防歯科医療とは
標準的な予防歯科医療とは、初期のリスク評価から、個々の患者さんに合わせた予防プログラムの立案、最小侵襲治療などを行い、定期的なメインテナンスに至るまでの流れです。
歯科医療の目的は、「早期発見して」「破壊部分を外科的に修復し」「欠損部分を補綴的に補う」というものから、できるだけ欠損の時期を遅らせるようにマネジメントしていく方向へと向かいつつあります。
もちろん、そのためには、医療者は多くの専門的な知識と的確な技術を保持し、それを適切に生かしながら患者さんが安心して継続的に来院できるような人間性やコミュニケーション能力が必要です。また、診療所は快適で清潔で、個人のプライバシーが守られた医療環境を備えていなければなりません。
診療の流れ
初診・診査・診断
それぞれの人がかかりやすい疾患や、その原因を、正確に審査、診断することから治療、予防の第一歩が始まります。年齢、歯の部位、細菌の種類と数、唾液や歯の性質など、いくつかの要素が重なった時に歯や歯周組織の病気にかかります。予防はその危険度に応じて、危険性のある部位や全身の状態などを知った上で行う事が効果的です。
むし歯・歯周病の発症前治療・最小侵襲治療
歯を失う90%の原因で、歯の二大疾患であるむし歯と歯周病。そのむし歯や歯周病を発症する前の潜伏期、またはごく初期の病気のうちに発見し、治療と予防をすれば、自分の歯を生涯、健康に保つ可能性が高くなります。
そこで、私たちは、科学的できめ細かな診断をしたうえで必要であれば最小限の治療を行い、予防の為の目標と方法を具体的なプログラムとして作成します。
メインテナンス
それぞれの患者さんのリスクと、効果的な予防法を把握したうえで、専門の歯科衛生士が口腔内の健康を維持するために、むし歯や歯周病の原因であるバイオフィルムを破壊、除去し、継続的な管理を行っていきます。
MTMの流れ
「むし歯になってから、ただ治療して終わり」では口腔内の健康状態を守ることはできません。
むし歯や歯周病の治療を始める前に、原因を突き詰め、取り除き、再発防止のための行動をとることがとても大切です。
この考え方に基づき、診療を行う流れのことを「メディカル・トリートメント・モデル」と言います。
健康な歯を少しでも多く、長く残し、ずっと笑顔でおいしく食べていけるよう、私たちは患者様のお口を守るサポートをいたします。
大人のMTMの流れ
初診
実施項目
- 問診、カウンセリング
- レントゲン検査
- 口腔内写真
- むし歯、歯周病検査
- 担当歯科衛生士の紹介
- 歯科医師による応急処置
- ホームケアの確認
- 検査結果のご説明と治療計画のご提案
最初に問診票のご記入をお願いいたします。
ご記入いただいた内容を確認しながら問診をいたします。
現在のお困りごとや、今後どうしたいかなど、患者さまの想いを私たちと共有させていただきます。
様々な検査を行いその結果から、治療計画・予防プログラムをご提案します。
初期治療
実施項目
- 歯石除去
- ブラッシング指導
- 再検査
- 検査結果のご説明と治療計画の決定
歯を失う原因はバイオフィルム(細菌)です。口腔環境の改善のため、まずは細菌へアプローチを行います。
初期治療後、お口の中がどのように改善したか検査を行い、評価します。
そして、治療計画の説明と決定をします。
計画に基づいた治療
実施項目
- MI治療(身体への影響を最小限に抑えた治療)
- 再検査
- 検査結果のご説明
歯科医師によるMI治療を基本に、予防主体の根本的な治療を行います。
治療後はお口の中がどれだけ改善したか検査を行い、評価します。
お口の中を良い状態に保つためには、定期的なメインテナンスが不可欠です。定期的なメインテナンスの重要性についてご説明します。
定期的なメインテナンス
実施項目
- 歯石除去
- PMTC(専門家による機械的歯面清掃)
健康になったお口の環境を維持していくため、3か月~半年毎にメインテナンスを行います。
予防プログラムに沿ったメインテナンスに取り組み、いつまでも健康的なお口でいるためのサポートを行います。
子どものMTMの流れ
初診
実施項目
- 問診、カウンセリング
- 担当歯科衛生士の紹介
お子さまや親御さまの思いと医院の思いをすり合わせます。
当院の方針にご同意いただけた方は、次回のご予約をお取りいたします。
※場合により検査に入ることもあります。
検査
実施項目
- 口腔内写真撮影
- ホームケアの確認
- レントゲン撮影
- ブラッシング指導
- むし歯の検査
- 検査結果の説明
- だ液検査
- 治療が必要な方には治療計画のご提案
検査結果をもとに、予防プログラムと治療が必要な方には治療計画をご提案します。
プラークコントロール
実施項目
- ブラッシング練習
- 歯のクリーニング
- 再検査
- 検査結果のご説明
プラーク(歯に付着した細菌が繁殖したもの)がお口の環境悪化の原因となります。プラークコントロールによりお口の中が改善されたか確認します。
治療
(必要なお子さまのみ)
実施項目
- MI治療(身体への影響を最小限に抑えた治療)
- 再検査
- 検査結果のご説明
しっかり噛めるように機能の回復を図ります。
治療によりお口の中が改善されたか確認します。
定期的なメインテナンス
実施項目
- 歯石除去
- PMTC(専門家による機械的歯面清掃)
お子さまのお口を健康に保つために、メインテナンスが一番大切です。
成長とともにお口の状況やリスクも変わるので、予防プログラムに沿って定期的に受診しましょう。
MTMで行う様々な検査
口腔内写真撮影
お口の中専用のカメラで初診時・再評価時・メインテナンス期間中に撮影します。
レントゲン写真撮影
定期的に撮影することで、1本1本の歯の状態を確認し診断します。
だ液検査+カリオグラム
だ液を採取し、むし歯の原因菌を培養します。この検査により、むし歯の原因菌の数やレベル、だ液の質や量が分かります。また、カリオグラムというソフトウェアで「今後1年間のむし歯を避けられる可能性」が分かります。
歯周病組織検査+OHIS
歯を1本ずつ歯肉に炎症や出血がないか調べ、歯周病の進行度を確認します。 OHISとは歯周病リスク評価ツールのことで、世界的に蓄積されたデータベースをもとに評価レポートを作成できます。