湖池屋×ドクター対談01
プロバイオティクスについて
青島氏
本日はプロバイオティクスについて松野先生にお聞きしたいことが2点ございます。まず1つ目は、プロバイオティクスを診療・診察に導入されてから、患者さんの反応はいかがでしょうか。また2つ目は、予防歯科と同様に、プロバイオティクスの普及活動は簡単なものではないのですが、松野先生のご経験から湖池屋にアドバイスがあれば、お聞かせください。
松野先生
プロバイオティクスと全身との関わりについて、当院では免疫をポイントにしています。口腔内の疾患についても、マイクロバイオ群という細菌層の変化が関係しています。今までは何も問題を起こしていなかった細菌が、病原性を発揮して有毒化すると疾患が発症します。そのため、生体のホメオスタシスを保つためには、身体の管理が必要となってきます。もちろん、口腔内の管理は全身の一部ですので、全身の管理を主体として局所の口腔管理も追随して行います。また、炎症に対する害を患者さんにお伝えして、そのためには何が必要なのかといったことをご説明しています。
免疫力を高める
青島氏
そうですね。ただ、”免疫力を高める”とはっきりと言える商品が、法令の関係上、実は世の中にあまりありません。そして免疫力を高めたいからと医療機関に行っても、すぐに高まることはないため、非常に難しいと感じています。また、松野先生の様にアドバイスをしてくれる医療機関も、ありそうで中々ありません。そういった環境で、私たちは、免疫力を高めるためには色々な知識やケア、努力が必要になってきますし、それを歯科医院で診ていただけるのは、画期的でとても素晴らしいことだと思います。
松野先生
免疫力を高めるというと、すごく高いハードルを越えなきゃいけないイメージを持ちますよね。ですが、”身体の炎症を抑える”といった言葉に言い換えることもできます。身体の慢性炎症の主たる要因は、口腔内の炎症、腸管の炎症、内臓脂肪の増加が挙げられます。そのため、これらの慢性炎症のコントロールができれば免疫も上手に機能し始めます。
青島氏
いま先生が仰った表現は、患者さんに分かりやすいし、伝わりやすいですよね。
松野先生
よく患者さんに聞かれる質問があります。慢性炎症を抑えるための食事(栄養面)・運動とプロバイオティクスの違いは何ですか?と。その場合、プロバイオティクスについて私がイメージしていることは、より直接的に慢性炎症に作用させることができるというイメージで患者さんにお伝えしています。毎日、食事を選んで、運動をするといったことよりも、直接的に目的を狙えるグッズとしてご提案しています。
青島氏
私たちもこの様なご質問をよくいただき、回答に苦労するのですが、松野先生のご説明は一般の方に非常にわかりやすく、イメージがしやすいと思いますので、今後の参考にさせていただきます。松野先生の医院は、湖池屋と同様に「プロバイオティクスの有効性や価値」を推奨している、日本で数少ない歯科医院ですので、今後もご指導をいただけますよう、お願い致します。本日はどうもありがとうございました。