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遠藤優子さん:くにみ野さいとう歯科医院

口腔内情報を患者さんと共有することは、同じ目標に向かって治療を進めていく上で役立っています。

患者さんへの「診療情報」の媒体や説明とその患者理解

初診時には、口腔内写真(13枚)、デンタルX線写真(10枚法)、歯周組織検査、唾液検査を行います。以上の資料をもとにデントカルト、OHISの結果をまとめ、「予防プログラム説明」と題し、30分程度の時間をかけてお伝えしています。情報が整理された状態で視覚的に訴えることができるので、患者さんの理解がより深まっていると考えています。口腔内の現状と今後考えられる個々のリスクを患者さんと共有することは、同じ目標に向かって治療を進めていく上で役立っています。

歯科衛生士として成長したと思うとき

患者さんの健康意識が高まり行動変容に繋がったときには、とても嬉しく思います。信頼関係を築くのは簡単ではありませんが、それぞれの患者さんの個性を早めにキャッチして、その方に合ったコミュニケーションをとるよう心がけています。
もちろん、SRP等の技術面も求められる職業ですので、歯周組織の改善に繋がるよう結果にもこだわって診療を行なっています。

出身校での学び

私は本科3年を修了した後、専攻科でもう1年臨床実習と座学を学び、学位をとるため論文を執筆しました。正直なところ本科の学生の時は成績や国家試験の為に勉強していました。しかし専攻科に入って、歯周治療の面白さ、歯科衛生士の魅力に気付き、生涯の仕事にしていきたいと強く思いました。その為の勉強はとても楽しかったです。また論文を執筆した経験は、現在の症例発表の際に生かされていると思います。

現在所属の医院を選んだ理由

歯周治療だけでなく、診療補助や外科処置など、歯科衛生士としての仕事をまんべんなく学べる環境に惹かれました。また院長をはじめ先輩スタッフのメディカルトリートメントモデルに基づいた歯科治療への意識の高さに感銘を受け、就職を決めました。学会やセミナーへの参加も快諾していただいており感謝しています。

メインテナンスの際は毎回同じことの繰り返しにならないよう、今日は何を重視するのか見極めるようにしています。

メインテナンスで心がけていること

毎回同じことの繰り返しにならないよう、今日は何を重視するのか見極めるようにしています。口腔衛生指導も患者さんのモチベーションが下がらないようポイントを絞って指導しています。また生活環境や体調の変化など、コミュニケーションをとりながら口腔内以外の情報も収集するよう心がけています。

今後の目標

昨年、学生時代からの目標であった臨床歯周病学会の認定歯科衛生士の資格を取得することができました。症例をまとめるのはとても大変でしたが、学びも多く、自身の成長に繋がったと感じています。今後は日本口腔インプラント学会の認定歯科衛生士の資格を取得したいと考えています。
また、後輩育成にも力を注いで、医院全体の発展に少しでも貢献したいと思います。

愛読書・雑誌(歯科関係)

天野敦雄,「歯科衛生士のための21世紀ペリオドントロジーダイジェスト」,2015年
天野先生の講演を初めて拝聴したのは、2016年、臨床歯周病学会の年次大会でした。あまりの面白さに魅了され、勉強することが楽しく感じたセッションでした。その内容がこの本には凝縮されており、何度も読み返しています。歯周病細菌や免疫についてなど病因論は少し難しく抵抗がある分野でしたが、とても分かりやすく書かれており、患者さんに説明する際にも役立っています。これからも読みこんで、知識を自分のものにしていきたいと思います。