埼大通りむらた歯科:木村さん
子どもの頃、歯科医院にはどんな思い出がありますか?
歯科衛生士になった今、子どもの頃の自分を振り返ると、当時は親に連れられて何となく行く場所でした。でも、今は当院に来るお子さんたちが定期検診を楽しみにしてくれているのを見ると、すごく嬉しくなりますし、歯科衛生士としてのモチベーションが刺激されます。
今の自分が子供の頃の私にアドバイスをするなら、「もっと歯科衛生士の言うことを信用しなさい」と伝えたいですね(笑)。
日々のメインテナンスで特に意識していることを教えてください。
そうですね。患者さんの情報を細かく記録することを大切にしています。口腔内の状態はもちろんですが、見た目や表情、声のトーンの変化にも気を配るようにしています。患者さん一人ひとりから学ぶことが多く、今の自分があるのはそうした経験のおかげですね。
新卒の頃は「早く結果を出さなきゃ!」と焦っていて、一方的に指導しがちでした。でも今は、患者さんのペースに合わせて、一緒に伴走するような気持ちで接しています。プレッシャーを与えすぎず「あなたの味方です。何でも話してくださいね」と伝えることを心がけています。
患者さんとのコミュニケーションで大事にしていることは何でしょうか?
寡黙な患者さんの場合、新人の頃は「私の話、伝わっているのかな?」と不安になることがよくありました。でも、経験を積むうちにそういうケースも少しずつ減ってきました。
まだまだ勉強の途中ですが、「あなたのことを知りたい!」という気持ちを伝えるために努力しています。そのきっかけとして、口腔内の変化を見つけた時に、それに関連する質問をして会話を広げるようにしています。
また、歯科衛生士という仕事は、カルテに細かく情報を記入することもとても大事です。患者さんの口腔内をしっかり診るのと同じくらい、細かな記録を残すことが信頼関係を築くうえで欠かせないと感じています。
新卒の頃と比べて、成長を実感することは何でしょうか?
新卒の頃は、目の前の仕事に追われて、その場しのぎの対応に終始していたように思います。でも、経験を積んで視野が広がると、患者さん一人ひとりの変化に気づけるようになってきました。
特に、当院で取り組んでいるメディカルトリートメントモデル(MTM)を知ったことが、私の歯科衛生士人生の大きな転機でした。最近は医院での臨床データを振り返ることで、自分の成長を実感できるようになり、それが励みになっています。
10年後、どんな歯科衛生士になっていたいですか?
子どもの頃から料理が好きで、管理栄養士になろうかと考えた時期もありました。でも、母の勧めで歯科衛生士の道を選びました。
歯科衛生士学校では栄養学の授業がとても楽しくて、そこから仕事への興味が深まりました。今は栄養学を学び直していて、将来的には口腔内の健康だけでなく、全身の健康にもアプローチできるような歯科衛生士になりたいと思っています。
この仕事をしていてよかったと思う瞬間は?
最近、長く通っていただいている患者さんから「メンテナンスを続けていたら、いつの間にか体調が良くなったんだよね」と言われたんです。それを聞いたときは本当に嬉しかったですね。
こうした経験を多くの人に伝えることで、歯科衛生士の魅力が広がるのではないかと思っています。数ある職業の中でも、誰かの健康に寄り添いながら、自分自身の学びや成長につながる仕事は少ないと思います。この魅力をもっと世の中に伝えていきたいです。
歯科衛生士として思い描いている未来を教えてください
今は、自分自身の身体のメンテナンスをしながら仕事を続けていますが、正直なところ、体力的な自信はあまりありません。ですので、「一生続ける」とは言い切れません。
それでも、患者さんの健康に貢献できる瞬間があるからこそ、この仕事を続ける楽しさを感じています。
「何かあったら木村さんに相談したら大丈夫」と思ってもらえるような歯科衛生士になれるよう、自分を奮い立たせながら、これからも頑張っていきたいです。
