【New】 【2024年11月1日】
乳幼児(6歳未満)に対してフッ化物製品を使用する方法は、6歳以上とは異なります。 なぜなら、フッ化物製品の誤飲が起こりやすく、体重に対するフッ素摂取量が成人に比べて多くなりがちで、歯のフッ素症(斑状歯)が発生する可能性があるからです。 しかし、フッ化物製品を安全に、そして効果的に使用するためのポイントは専門家たちによってよく考えられています。 そのポイントとは・・・
【New】 【2024年10月1日】
フッ化物のむし歯予防効果は非常に強力です。 むし歯予防効果についての研究の発展は目覚しく、飲料水に1ppmのフッ化物であれば、重度の斑状歯を抑えながらむし歯予防効果を発揮できることが分かりました。 現在では歯磨きペーストに6歳以上には1,450ppm、6歳未満には1,000ppmのフッ化物を入れる方法が主流になりました。 さて、そのフッ化物のむし歯予防効果とはどのようなものなのでしょうか・・・
【New】 【2024年9月5日】
前回 、新しい患者教育ツール、「むし歯のなりやすさチェック(通称:『デカゴンC』 )」(富士通Japan株式会社)を紹介しました。 『デカゴンC』にはむし歯の結果と原因とその周囲にある間接的な原因の、合わせて10項目を取り上げています。 それぞれの項目のスコアによって、ご自分の強みと弱みがはっきりしますので、無理や無駄のない個人に合ったむし歯予防プログラムを作るのに役立ちます。
【2024年8月1日】
その人の将来のむし歯のなりやすさ(リスク)を予測する時に、「過去のむし歯経験」という指標がとても有益な場合があります。 弱点が何か分からないうちに、闇雲な予防方法をしてもリスクを低く抑えることはできないかもしれません。 「過去のむし歯経験」と「現在のむし歯状況」を分けるという考え方は、スウェーデンのDowen Birkhed名誉教授と監修させてもらった新しい患者教育ツール、「むし歯のなりやすさチェック(通称:『デカゴンC』)」(富士通Japan株式会社)に活かされています。
【2024年7月12日】
一度甘い物に慣れたが最後、人間の脳はそうそう簡単に断ち切ることはできない仕組みになっています。おそらく、ヘビースモーカーが禁煙するよりもスイーツ断ちは難しいでしょう。 日本は欧米の肥満率に比較してかなり低く抑えられているものの、冒頭のように成人になってからの食習慣の変更が難しいことを考慮すると、今日、生まれた赤ちゃんには苦労させないように、周りの大人たちが本気になってほしいです。 そう願いながら、シナモンロールにまつわる、感動したエピソードを一つ・・・
【2024年6月6日】
初診で歯科医院に来られる成人の患者さんはほとんどの人が程度の差はあれ歯周病にかかっています。 歯周病はそのまま放っておくと、最悪、歯を失うことになりますので、適切な歯周病治療をここで始めるべきです。 早期だと健全な状態に戻せますし、そうでなくても進行を止めることができます。「初期治療」は適切な歯周病治療になくてはならない第一段階です。 その重要性とは・・・
【2024年5月2日】
2年に一度、ドイツのケルンで世界最大の国際デンタルショーが開かれます。数年前、私はそこに参加する機会がありました。 広大な会場に無数のブースがある中、長蛇の列を作るブースが2つ、いつ行ってもその行列が短くなることはありませんでした。 2つとも最新の電動歯ブラシを展示する別々の会社でした。世界中でどれだけ電動歯ブラシが脚光を浴びているのかよく分かりました。 その理由は・・・
【2024年4月1日】
歯科検診で歯と歯ぐきの間の溝の深さを測ってもらったことがあるでしょう。 正常な場合は、「ポケット」はだいたい1〜3mmの深さで存在しています。 深さが4mmを超えると病気でもないのに「歯周病」の判定が下るかもしれません。 一度の歯科検診で「ポケット」の深さが4mmと言われても、誤差を加味してリラックスして長い目で見てみてください。 なぜなら・・・
【2024年3月5日】
スウェーデンは1974年を境に予防中心の歯科医療システムに舵を切りました。 ここでよく「人口が日本よりずっと少ないから政策の変換に小回りが利く」と言われる人もいます。しかし、スウェーデンより人口が少ない国でもそうはできなかったりするのです。 なぜスウェーデンは科学的、学問的に俊敏に前進できるのでしょうか? その答えは・・・
【2024年2月5日】
洗口液などに入っているクロルヘキシジン。これは、何かというと消毒剤や防腐剤として知られている薬剤です。日本ではある大衆薬の軟膏に20%の濃度で入っているため、日常的にとてもよく使われています。 歯科ではプラークを減らし、軽い歯肉炎を改善することが数多くの研究で解っています。そのため、スウェーデンなどではむし歯菌を特にたくさん持っている人向けに処方されることがありますが、現在はあまり利用されていないそうです。 その理由は・・・
【2024年1月9日】
ある若い女性(22歳)が「ああ、もう毎日歯磨きするの面倒くさい。全部抜いて入れ歯にしてもらったら、ちゃっと洗って終わるのに。」とこぼしていたそうです。 しかし、歯を1本失ってブリッジにしたことのある同じく若い大阪の女性は、私に驚いたように言われました。「歯がなくなるとそこの顎の骨も減っていくねんなあ。」 その通りです。 なぜなら・・・
【2023年12月14日】
英語で “radiation caries” 、日本語で「放射線齲蝕」という専門用語があります。 これは首から上の範囲におよぶ「がん」に対して放射線治療を行った時、がん細胞だけでなく唾液腺も破壊されてしまう結果、唾液の分泌量が極端に少なくなり、主にそのおかげであっという間にお口全体にむし歯ができてしまうことを言います。 なぜなら・・・
【2023年11月2日】
今日、歯学も含めて医学関係の記事やニュースでよく使われる最も強力なキーワードの一つが「科学的根拠」とか「科学的エビデンス」です。 どちらも英語の“scientific evidence”の訳語です。このキーワードが使われていると、あたかも科学的な研究によって、その治療方法や予防方法が客観的に証明され、信頼性があるように聞こえるのですが、 実は・・・
【2023年10月2日】
仕上げ磨きの際にフロスをかけてあげるのに苦労している保護者の方もいるみたいです。それをスウェーデンのむし歯学の先生に言うと目を丸くされます。 よくよく調べてみると、確かに、日本ではお子さんにフロスをかけるように指導している歯科医療従事者もいますし、ネット情報にもそのように書かれているものが結構多いのですが、 実際は・・・
【2023年9月1日】
大人の歯は親知らずを除くと基本的に28本あります。 そのうちの1本を失うと、28分の1だから大したことはないと思われがちですが、他の歯にかかる力のバランスが大きく変わります。 日本のデータ(平成28年歯科疾患実態調査)によると、一番多く失われている歯は第一大臼歯と第二大臼歯です。大臼歯の約60%は後期高齢になると喪失しているようです。
【2023年8月1日】
予防歯科が日本人の生活の中に根付いて、お口の中を清潔にすることに気持ち良いと思う人が増えてきた今、このことに改めて意識を向けてほしいと思います。 なぜなら、磨き過ぎで歯がすり減ったり、歯ぐきが退縮すると、そうやって失った組織は自然には元に戻らないからです。 酷い場合には、むし歯菌や歯周病菌によるよりもっと多くの歯や歯ぐきの組織を失うことになるかもしれません。
【2023年7月3日】
お口の中には無数のバイ菌が存在しているのはご存知ですね。 おそらく、人ひとりのお口の中には、地球上の人類の数よりも多く! ほとんどのバイ菌は飲食物や唾液と一緒に胃の中に入り、胃酸によって殺されたり、そこを生き残るようなしぶといバイ菌も、最後は排泄物と一緒にトイレの中へ。または大腸でぬくぬくと子孫を増やしているかもしれません。
【2023年6月16日】
今まで使った中で最も素晴らしいと思えるトゥースペースト(歯磨き粉)を見つけました!それはフィンランド製で ”Salutem” というブランド名で売られています。 特にお口の粘膜が敏感な人やドライマウスの方用に作られたものですが、赤ちゃんからお年寄りの方まで誰にでも使っていただけます。何がそんなにいいかというと・・・
【2023年5月1日】
唾の中には微生物が何十億とウヨウヨしていますので、それらを赤ちゃんに伝播させない配慮はとても大切です。 興味深いことに、歯が生えてから2歳半くらいの時期というのは、お子さんの全身の免疫力もとても弱い時期と重なりますので、この時期にむし歯菌の伝播を防ごうとする努力は全身にとっても一石二鳥なのです。
【2023年4月1日】
人びとが健康な歯を生涯に渡って保つ(KEEP 28)のに最も大切なのは、赤ちゃんの時期の口腔ケアを成功させることだと思います。 「まだ歯が生えているか生えていないかという頃に口腔ケア?!」と思われる親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。 しかしそれが生涯の口腔ケアの成功に繋がります。
【2023年3月1日】
唾液の量には個人差があり、むし歯や歯周病や口臭のなりやすさ(リスク)に影響しますので、歯科医院で「刺激唾液」の量を測って、ドライマウスの程度を評価することがあります。 5分間で3.5ml未満だと、むし歯のリスクが高いといえるでしょう。歯科医院で唾液の量を測ることは非常に大切です。
【2023年2月1日】
むし歯のなりやすさ(リスク)を評価する「カリオグラム」というソフトウェアがあります。 「カリオグラム」は、1996年にスウェーデンの大学で、歯学部の学生にむし歯の成り立ちを教育するために作られました。 いまもなお、「カリオグラム」は数あるむし歯のリスク評価モデルの中で、もっとも妥当性の高いものだという研究結果が次々に出ています。
【2023年1月1日】
全身の健康に歯科が独立していてはいけないと、一部のカリオロジストたちは態度を変えました。むし歯予防のことだけ考えていればいい時代は終わりです。 しかし、患者さんにWHOの糖類摂取ガイドラインの数値目標を守れというだけでは全く説得力がありません。実は、この数値目標、かなりキツイのです。
【2022年12月1日】
歯周病の治療も、禁煙した方が治療の結果が良くなります。またインプラントを入れた場合も、インプラント周囲炎を防ぐためには禁煙は必須です。 もしも、歯周病の治療、インプラント、メインテナンスを受ける時に、その歯科医院で禁煙指導がされなかったり、禁煙外来を紹介されなかったら、そこを頼っていいのか疑わしいですよ。
【2022年11月10日】
フッ素がむし歯の予防にとても効果を発揮することはよく調べられていますが、上手に使用するには、ごくごく微量のさじ加減が必要です。 そのため、トゥースペースト(歯磨き剤) や洗口液 に配合するフッ素の濃度を “ppm” という単位で表すことが慣例になっています。
【2022年10月3日】
神経を取った歯は、痛みを感じないので、削る時に麻酔は必要ありません。 一方、痛みで病気の進行を教えてくれないので、プロの目による病気の再発や進行に対する細心の注意が必要です。 さらに、神経を取った歯は、いわば血の通っていない歯、つまり死んでしまっている歯ですから、ミイラのようなもの。ちょっとした力でパリンと割れてしまうこともあります。
【2022年9月1日】
むし歯の成り立ちにはたくさんの因子が関係していて、むし歯になりやすい人となりにくい人がいます。 むし歯になりやすい人も、様々な予防方法を追加して駆使することで、予防はできます。 そのうちの1つがフッ化物洗口。皆さん、普段からフッ化物配合トゥースペースト(歯磨き粉)で歯磨き をされていますね。 むし歯になりやすい人は、それにプラスしてフッ化物洗口を取り入れてみてください。
【2022年8月8日】
「歯科衛生士」という職業についてご存知ですか? 英語でDental Hygienistと言うので、「ハイジニスト」とか「DH」と呼んだりします。 かかりつけの「ハイジニスト」、つまり「マイ・ハイジニスト」を持っている人は、日本では宝くじに当たるくらい稀だと思いますが、長く同じ歯科衛生士にメインテナンスをしてもらえると、とても安心です。
【2022年7月1日】
口臭が気になる人、結構多いのではないでしょうか? 口臭にもいろいろあって、ニンニクなどの臭いのきつい食べ物・飲み物が原因となっているものから、内蔵の病気が原因となっているものや、本当は口臭がないのにあると信じている心因性のものまで様々です。 口臭の8〜9割が口の中に原因があり、その中でも大半は舌にある無数のバイキンが原因だと言われています。
【2022年6月2日】
今の世の中には様々な飲み物が溢れかえっています。 水の他にも緑茶、紅茶、コーヒー、清涼飲料、ジュースや果汁入り飲料、スポーツドリンクなどなど。 そして何となく色がついていて、甘みやフレーバーのある嗜好飲料を選びがちではないでしょうか? しかし、私たちの歯のことを考えると、喉の渇きをいやすためには無色透明無味無臭の水が最も優れた飲み物であることを強調したいです。
【2022年5月2日】
メインテナンスの間隔はどのくらいが適切でしょうか? 半年に1回? 3ヶ月に1回? または1年に1回? その答えは一律ではなく、「むし歯と歯周病を発症または再発させない」間隔です。 長過ぎてはいけませんが、かといって短過ぎるのも時間とお金の無駄です。その患者さんにとってちょうどよい加減をどこに取るのか、歯科医師の腕の見せ所です。
【2022年4月1日】
前回はむし歯予防のための歯磨きの意義についてお話しました 。 ポイントはフッ素を効かせることでしたね! では、歯周病予防のためにはどのような歯磨きが科学的に認められているのでしょうか?
【2022年3月9日】
皆さんは毎日歯磨きしていますか?95%の日本人が毎日歯を磨き、一日2回以上歯を磨く人は77%らしいです。 一方、ヨーロッパの小国アイルランドでは24%が毎日は歯を磨かず、一週間に一日は飛ばしているとのこと。 日本人がきれい好きなことがよくわかります。事実、日本の街中のポイ捨てゴミの少ないこと!