JOF理事長/畑 慎太郎 先生 年頭挨拶
JOF交流会(日吉歯科診療所)/講話の様子
私事ではありますが、歯科医師となって25年余りが経ちました。
歯科医師人生を50年と仮定するなら、ちょうど折り返し地点に立ったところです。プロ野球選手に例えるなら、体力と経験のバランスが問われ始める30歳前後といったところでしょうか。
これまでは勢いや体力に支えられて走り続けてきましたが、これからは無理がきかない場面も増えてきます。小さな無理や判断ミスが、選手生命を縮めるように、歯科医師としての持続可能性にも影響を及ぼします。
だからこそ今、単年契約ではなく「複数年契約」を意識した診療スタイルが必要だと強く感じています。
JOFセミナーシリーズ第1回 1日目/講演の様子
歯科医療におけるその「複数年契約」にあたるものが、メンテナンス患者さんによる下支えであり、信頼関係の積み重ねではないでしょうか。
これは個々の医院経営にとどまらず、オーラルフィジシャンという診療哲学そのものを持続させる基盤でもあります。
一方で、昨今はGoogle口コミをはじめとする評価の在り方が、医療の現場に大きな影響を与える時代になりました。オーラルフィジシャンは、患者さんにとって耳障りの良いことだけを伝えるのではなく、時に厳しい現実や将来のリスクを正面から伝える医療を実践します。
その姿勢が、短期的には誤解を招くこともあるのが現実です。
12回日本介護予防健康づくり学会(筑波大学)/講演の様子
そこで今年は、私たちの医療を理解し、支えてくださっている患者さんの声を、より正直に可視化する取り組みを始めました。
良い点だけでなく、改善すべき点も含め、評価の星の数も含めて自由に書いていただくことを長期にわたりメンテナンスを継続していただいている患者さんにお願いしています。
医療としての誠実さを損なわないことを最優先にしながら、社会との対話を深めていきたいと考えています。
JOF理事長として、本年はあらためて「オーラルフィジシャンという医療の価値」を、臨床・教育・社会発信の三つの軸で丁寧に育てていく一年にしたいと考えています。
短期的な成果や流行に左右されるのではなく、エビデンスと臨床実感に裏打ちされた医療を、次の世代に手渡していくことが私たちの責任です。
チーム・ミーティング2024/開催挨拶
また、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、スタッフ、そして患者さんも含めた「チームとしての歯科医療」が、持続的に機能する仕組みづくりにも力を注いでいきます。
JOFが、現場で悩み、考え、挑戦する仲間にとって、立ち返ることのできる拠点であり続けられるよう尽力してまいります。
本年のセミナーや現場でお会いした際には、ぜひ率直なご意見やご感想をお聞かせください。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。