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メインテナンスの受診間隔について
〜どのくらいの頻度で歯科に通えばいいの?〜

「歯医者さんには定期的に通いましょう」とよく聞きますが、「どのくらいの間隔で通うのが良いの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実はこの「間隔」については、日本と海外で考え方が少し異なります。

日本の保険診療では「3か月ごと」が基本

日本では、歯周病の再発を防ぐための「SPT(歯周安定期治療)」という保険制度があり、原則として3か月ごとのメインテナンスが推奨されています。これは、厚生労働省の診療ルールに基づいたもので、全国の歯科医院で広く行われています。

海外では「リスクに応じた間隔」がスタンダードに

一方、イギリスなどの国際的なガイドライン(NICE 2004年)や最新の研究(Clarkson et al., 2020 / Fee et al., 2020)では、患者さん一人ひとりのむし歯や歯周病のリスクに応じて、通院間隔を柔軟に決める方法が推奨されています。

英国NICEホームページ

英国NICE(国立保健医療研究所)
ホームページ

リスクが高い方には、3か月ごとなど短い間隔での管理が必要

リスクが低い方では、6か月〜24か月ごとの受診でも健康に大きな差がないというエビデンスもあります

また、患者さんの通いやすさや医療資源の効率性も考慮されており、「個別対応」が世界的な流れになっています。

スウェーデン保健福祉庁歯科医療に関する国のガイドライン

スウェーデン保健福祉庁
「歯科医療に関する国のガイドライン」

日本でも自由診療では個別対応が可能です

日本の保険制度では3か月ごとのSPTが基本ですが、自由診療でメインテナンスを行っている歯科医院の中には、患者さんのリスク・ライフスタイル・希望に合わせて柔軟な受診間隔を提案している医院もあります。

このような自由診療でのメインテナンスは、イギリスのNICEやClarksonらの研究が提唱する「リスクに応じた個別化ケア」に近いものであり、よりパーソナルで質の高い予防ケアが可能です。

英国NICEホームページ

Dr. 西真紀子コラム
「メインテナンスの間隔」

参考ガイドライン・研究

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